懐かしのガンボ

dislab2011-09-18

ガンボというスープがある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9C_%28%E6%96%99%E7%90%86%29

http://www.tsuji.ac.jp/hp/dkpo/soul/homec.html

まだ高校生くらいの頃、父親が家へ連れてきたアメリカ人のたぶん研修生(獣医)とその彼女が、うちの台所で作ってくれたのが、ガンボだった。とにかくオクラのとろみが病付きになるし、初めて感じるフィレパウダー(ササフラスという植物の粉)の不思議な香が忘れられない、あの味をまだはっきり覚えてる。

彼も彼女もメキシコ系で、「おふくろの味」としてそれを作ってくれたので、メキシコに対するイメージが急によくなった。一番大きな鍋二つ満杯に作るのを見て、多過ぎると思ったのは杞憂で、みんな3杯くらいおかわりしたのだ。

あれから十数年、あの素晴らしいスープに出会うことはなくて、あとで真似して作ってみたけれどあの日のようには作れなかった。レストランで出すところも少ない。

ところが、近所にガンボを出す店が開店したのだ。台湾の、花蓮の、しかも繁華街から外れたうちの近所に!恐れる連れを言いくるめて入ってみた。(台湾の洋食屋は、日本で拉麺とオムライスだす店の看板が洋食屋なのと似ている。中華麺をケチャップで合えたらスパゲティに化けることも大有りなので注意が必要なのだ。)

失礼だけど、メニューはちゃんとしたニューオリンズ料理だった。彼らはどうやら本当にアメリカから来たらしく、詳しくは訊かなかったが、移民か、国際結婚かといったところのようだった。味も、シーフードガンボのセット(ディルのクリームドレッシングサラダ、パンプディング、珈琲付き)とビーフを挟んだタコスのようなものを頼んだけど、本格的だし値段もリーズナブル。あの日のガンボには及ばないけど、久しぶりにとろとろのオクラ入りブイヤベースを楽しんだ。

この大変アメリカ的なクロスカルチャーディッシュを、台湾の片隅で作る人がいるというのは面白かった。なにせ、クレオール+黒人+インディアン+メキシコなどなどのごった煮だ。シェフの顔はまだ見えないが、花蓮で想定できる最高峰のアメリカ料理レストランになりそうな予感がした。