台湾お手軽観光コース・台北編

母ちゃんが来たので、珍しく普通に台北を観光、ミーハーなところへ行きたい、という希望を叶えるべく有名どころをささっとめぐる。結構効率よく廻れたんじゃないか、と思う30代と60代のおばさん2人の街歩き、てか買い食いの記録。

一日目
台北駅で待ち合わせ、チェックインして西門「阿宗麺線」をすすり、近くの楊桃汁で口直し。夜することもないので、MRTの通った行天宮へ行き、かなり怪しい占いも経験して「これで1000元かあ」という気持ちのまま、地下道を出たそばの足裏マッサージへ引きずり込まれる。

二日目
朝張り切って善導寺華山市場の阜杭豆乳へ行ったら正月休み「明日から営業開始」の張り紙。すぐそばの永和豆乳へ駆け込み空腹を満たす。塩味豆乳と甘い豆乳、卵入り焼餅、たまご餅(ダンビン)。

天気がいいので遠出することにして、陶芸の街、鶯歌へ。老街をぐるり歩いて博物館へ行く半日コース。老街はほぼいわゆるお土産やで、よく探せば趣味のいいものもあるかなあ、という感じ。柳丁ジュースを飲みながら歩く。今風な陶芸センター?が一番まとまっていて欲しい物も手頃な値段。道端のルーウェイ(醤油煮込み)が美味しいそうだったのでつまむ。豚の血と米を固めた豚血ガオも抵抗なくがっつく母。この後更に腹が減ったとのたまったので、そのまま見つけた適当な食堂で適当に食べる。あまりに適当すぎて記憶なし。

陶芸博物館はただな上に結構面白くて、陶芸好きの親子エンジョイ。2人ともガラクタが好きなので、いいもの見てるうちになんでもいいから欲しくなって、骨董屋へ行こうと話が決まる。

鶯歌

台北に戻り、ディーホア街(乾物街)へ、ここも正月休みであまり開いてないのが残念ながら、杏仁茶片手にからすみ買ったりお茶買ったり。近くの寧夏夜市でごはん。行列の圓環邊オアジェンと決める、ここはオアジェン(牡蠣のお好み焼きみたいなの)よりもミーガオ(おこわ)の方が断然いける。蛤汁もぷりぷりで良かった。別の店で臭豆腐をほおばる母。夜市を出て、道すがら時々見かける焼きたてスポンジケーキを売る店で小さいのを購入。カステラとシフォンケーキの間の子みたい、焼きたてなので美味しい。卵味が強いので古くなるとだめかも。

古亭駅のそばのガラクタやは、フリマ好きなので台北へ行って時間があると必ず寄る。ちょうど欲しい茶碗が見つかったが、どうしてかそれだけ値札がない!店員にいっても店主がいないし売れないと言う。明らかに高価なモノではなさそうなので、落ち込んでホテルへ帰る。

三日目
昨日のケーキとホテルのお茶で朝ごはん。
母ちゃんの一番のご所望故宮博物館へ。9時に行ったのに、中X人観光客ご一行さまで一杯。せっかく国宝見ていても落ち着かない。ガイドに押しのけられるし、トイレに入ったら隣はドアしめないし!げんなり。

大好きな南北宗あたりの焼き物は、一言でいうと中国の芸術にしては思い切り「地味」で「ワビ・サビ」。こんなひどい環境で鑑賞するのに最も適さないお宝なのだ。人酔いしてカフェで休憩。どろどろ客家擂茶と杏仁茶+油条。

そのまま小径を散歩して梅の香をかぎながら、順益原住民博物館へ。もちろんここに中x人はいない、てか誰もいない。台湾原住民の物質文化がコンパクトに分かる素敵な博物館なのに、いつ行っても人はまばらで、毎回3階から地下に降りた時点で寒くてちょうどトイレに行きたくなる自分。

織物が好きな母ちゃんは一階で関連書籍を漁っていた。タロコやタイヤル族の織物は一見の価値あり。わたしも記念に蘭嶼バンダナを購入。

小龍包で有名な鼎泰豊を食べなくても見てみたい、という不思議なリクエストに応えるため、永康街へ。で、並んでるので見るだけにして、永康牛肉麺館へ。旨い、しかも味が濃ゆい。店内にも「ウチは味が濃いから、味薄め油少なめをご希望のお客さんは先に言ってね」と書いてある。母大喜びで塩味牛肉麺の他におかずを頼みすぎ、晩ご飯が入らなくなる。

自分は塩味派

歩けないくらい満腹になり、近くの茶芸館へ。お茶もセンスの良さもさることながら、ここの目当ては品のよい茶菓子。のんびりしてすっかり疲れも取れたところで雑貨を見て、しん園(さんずいに心)でお茶を買うなど。

昼の食べ過ぎですっかり眠くなった母はホテルへ帰り、自分は台北駅東側に並ぶ登山用品店へバックパックの安売りを探しに行く。karrimorの二割引を見つけたので手を打つ。帰りに三越の地下で豆花を買ってホテルで分け合う。

四日目
チェックアウトして荷物を預け、阜杭豆乳へ。案の定すごい行列なれど、店内はゆったり。一緒に並ぶおばさんとしゃべりながら念願の朝飯。竪穴式の窯にくっつけて焼く葱餅を見て、「ナンだね。」と母。その葱ナンと大好きな甜餅を二つ、豆乳二種類を満喫。また台北へ戻り、三民書局でアミ語の教科書を購入。切り絵のデザイン集は欲しいのがなく、母ちゃんの織物系もめぼしいのがない。しかし立ち読みは時間を忘れる。

甜餅


城中市場の愛玉をデザートにひっかけ、散歩がてら二二八公園まで、入り口の梅酸湯も忘れずに一杯。ベンチで語らいつつ、久しぶりにかなりスモーキーな梅酸湯が美味しい。冷えて来たので、台大病院そばの乾麺やへ駆け込んだ。ここ、味は特に美味しくも不味くもないが、台湾にありがちな効率の悪さ極まれる店。人の動作線を全く無視した物の配置で、満員でもないのに客は待たされるし、仕事は増える一方、店員の愛想で頑張る、ある意味「ザ・台湾」を目撃したと言ってもいい。

小雨が降ってやだなーと思いつつ、MRTそばの誠品書店で干支雑貨にハマる母、12個揃える。自分の年のが今ひとつなので紅包だけ買った。さあ、午後は温泉だ!

ホテルの荷物を駅のコインロッカーに移し、身軽になって北投へ。ちょいと金はかかるが上手く利用すればロッカーは使える。駅地下の、台鉄、高鉄乗り場の両脇にある、大きいのも入る。今回は3時間70元のを使用、約一日で490元かかった、取り出し時のコインの準備に気をつけたい。

MRTで気軽に行ける北投だが、自分も初めて。母ちゃん用に小さめだけど良さげなホテルをとった。電話すると北投、新北投の駅までシャトルバスも来てくれる。豪華な作りの風呂付き、居間付き、2人で一泊5720元(11665円)!この旅一番の奮発。日本語はムリそうだけど、英語なら(たぶん)通じそうな荷豊温泉会館 http://www.lotusspa.com.tw/ch/index.asp(HPには一応日本語版もあり)。夕食に鍋を食べたけれど、ホテルにしては美味しいし値段もリーズナブル。ちなみに母ちゃんは鍋の時よく使われる「沙茶ジャン」が気に入ったらしい、これもお土産リスト入り。

豪華部屋風呂で数独に没頭する母


のんびりしてたら4時を過ぎ、ケタガラン文物館を覗いただけで、温泉博物館も地熱谷も5時で閉まってしまった。時間には気をつけたい。

以前は地獄谷と呼ばれていた地熱谷で、地獄っぽく。


そうそう、北投には日本でも取り上げられている「加賀屋」があるのだ。お値段も母ちゃんの飛行機代くらいなのだけど、お客の8割は台湾人という。着物の仲居さんが5人くらいで出迎えてくれる。お土産屋さんに入ってみたら、そこは完全に日本。ゴテゴテした九谷の大きな花瓶を買って行く台湾マダムに遭遇し、ビビって退散。煮卵売りのおばちゃんから試しにでっかいガチョウの卵を買う。日本にはないのでちょっと面白い大きさながら、味は今一つ。日も暮れた。
加賀屋前にて

花蓮編に続く。