「自殺同盟軍」その他。

さざんかの宿。

昨日までほとんど自分の時間なく過ごしてきたので、電車の中とかで本読むのだけが楽しみ。しのばせカメラで写真撮るのも息抜き。
PHAIDON から出ている「THE PHOTO BOOK」というアルファベット順写真家辞典のような本は、無作為にページを開いても、知らない作家を発見できたり、見開きで全く無関係に並んでいる写真がちょっとおもしろかったりして楽しい本です。いつも手元に置いておきます。「90分でわかるカント」は30分でも読める本ですが、9年かかっても凡人にカントがわかるはずはなく、だったら「90分」でわかった気になっておけばよい、という結論に達するにたるほどのわかりやすさ。日本人にこんなにものをシンプルにする勇気と技量があるだろうか?
最後に鈴木剛介の新作「自殺同盟軍」角川書店希死念慮(きしねんりょ)に取り憑かれた、とりたてて不幸でもない普通の若者が誰にも迷惑をかけずに、むしろ自分の死を人の役に立てようと考えてメンバーを募り「自殺同盟軍」を結成するという話。自殺はいけない、というのは社会道徳的なコンセンサスであって、正直言ってその根拠がわからない。だからどうしていけないの?という子どもの素朴な質問から生まれた物語。理詰めで考えれば自殺はいけない、という結論には至らない。(上記のカントが示したのは、自殺はだめよ、という道徳の「基盤(ルール)」であって、「質」ではない。)そのあたりに興味のある方は、読みやすいので。
でも答えを期待したらだめよん。